第10セッション
演題 4
栄養科における医療安全対策
発表者 ○堀川 かおり、九嶋 千都子、橋 めぐみ、八幡 昌代
(心臓血管センター北海道大野病院 栄養科)
【はじめに】近年、医療事故に強い関心が寄せられている中、当院では平成12年度より医療事故防止委員会を設置し、医療事故防止に向けた様々な活動を行ってきた。
【活動内容】栄養科で言うところの医療事故とは、食中毒発生、異物混入、食事内容違い、付け落とし、食札や食事箋管理ミスによる食止め忘れや、食事が配膳されないなどである。
この中でも、食中毒は有ってはならない事故であり、異物混入は食欲低下につながり、病院食への不信感を招く事から厳重な注意が必要である。
また、治療上の理由やアレルギーのための禁食をつけてしまうという例も、治療上の制限やアレルギーの出現の可能性があるので厳重管理を要する。
また、食札・食事箋の処理に関するミスにて、手術や検査のための食止めを止め忘れるという例も手術延期などリスクレベル3に該当する重大な事故に繋がり兼ねない。
このような重大な事故を防ぐべく、ハットヒヤリやアクシデントレポートの分析を行い、様々な改善を行ってきた。ただ“次回同じ事故を起こさぬよう注意する”というだけではなく、具体的なシステムの見直しが重要であると言える。
しかしここに至るためには、Wチェックなど労務増となるため業務の見直しを行い、無駄を排除して業務効率化を図り、事故防止に向けて時間をさくということが必要であった。
【結果と今後の課題】
これら取り組みの結果、異物混入の事故は発生しておらず、栄養士による食事箋処理のミスもなくなった。
しかし、最近ではPEG造設患者の増加に伴い栄養剤の固形化という業務や、個人対応を求めるべくコメント食も増加しており、献立の複雑化による調理員の負担増,栄養士サイドでは本年4月より開始された栄養管理実施加算やNST活動、また、栄養指導記録の詳細が求められるなどの業務量増の中、いかに確認作業に時間をさきアクシデントを防いでいくかが課題である。
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