第4セッション
演題 3
経管栄養施行者の栄養アセスメント
栄養補給別による検討
発表者 ○和泉由佳理1)、福井晶子1)、宍戸里奈1)、高平道子1)、佐竹麻実2)、平泉幸子3)
((株)ブライアンブルー1)、宮の森記念病院2)、(有)ニュートリションウィング3)
【目的】 一般病棟(障害者施設等入院基本料算定)にあっての栄養補給形態は経管栄養が主体をなし施行期間が長期に亘る症例が多い。しかし病期により避腸や経口の併用も多くみられるため、栄養補給別によるアセスメントを意識度や日常生活自立度、褥瘡発症等も含め検討を試みたので報告する。
【方法】 対象は当院入院患者経腸栄養のみを(I群)(29名)、経口栄養併用(経口から15〜50%摂取)を(II群)(4名)、避腸栄養併用(避腸から10〜60%摂取)を(III群)(2名)の計35名であり、各群の平均年齢は各々71、66、84歳であった。また施行期間はT群47、II群37、III群3週であり、アセスメントの指標は身体計測値、及び生化学データとした。意識度はJCS、自立度は褥瘡基準・危険因子の評価を用いた。
【結果】 %IBW、及びHb、Ht共にIII群に高リスク、I群に低リスク有、II群はいずれもが正常範囲内にあった。TPはII、III群にリスク有、Albは各群共に軽度のリスク有。これらを各群間で比較するとHtのみにII群とIII群において有意差有、提供栄養量は各群のBEEの平均24kcalに対し、熱量はI群24、II群は22、III群は30kcal/kg/日、たんぱく質は平均1.0g/kg/日。微量元素においてはCu、Zn、Feの充足率が低く、一方ビタミン類は摂取基準を充たしていた。(各群間の比較ではCu、Zn、Fe、ビタミンCに有意差有)また意識度、自立度共にII群が良好で以下I群、III群で各群間に有意差がみられた。さらに褥瘡ではI、III群にて短期間の施行期間で発症したが、意識度、自立度等との関連性はみられなかった。 【考察】意識度や自立度等を加え総合的なアセスメントをすることにより経管栄養からの離脱、栄養素の調整など各群に対しての栄養士業務の関わり方が明確になった。さらに褥瘡の予防などにも検討を重ねる。
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