第4セッション
演題 2
特別養護老人ホームにおける
簡易栄養ケア・マネジメントソフト開発・実用化の試み
発表者 ○河原翔子、根本亜矢子、佐藤香苗
( 藤女子大学 食物栄養学科 )
【目的】平成17年10月1日に施行された介護保険法の改正により、介護保険施設における栄養ケア・マネジメント業務の書類化が義務付けられ、栄養マネジメント加算として評価されることになった。これに伴い、栄養士の事務作業量の増加、業務時間の延長が考えられる。そこで、事務作業の効率化を図るためにMicrosoft Office Excel2003を使用して施設に適応した簡易栄養ケア・マネジメントソフトの開発・実用化を試みたので報告する。
【方法および結果】平成18年4〜6月、I市の特別養護老人ホーム入所者男性13名、女性35名、計48名(71〜95歳)を対象とした。栄養ケア・マネジメント関連書類※のデータをIF、DATEDIF、PHONETIC、VLOOKUP、MATCHおよびINDEXのエクセル関数機能を使用し、自動計算、自動入力、リスト化を試みた。さらに、施設で使用している栄養補助食品の栄養成分の自動入力や、残食量をひいた実際の摂取量が算出できるよう設定した。施設の栄養士に対し、導入前後に負担感、結果期待のインタビューを実施したので、その結果についても報告する。
【考察】最近では栄養ケア・マネジメントソフトが市販されているが、高価であること、ソフトの改変が容易ではないことにより施設の栄養士にとって必ずしもアクセシビリティは高くはない。今回、開発した簡易栄養ケア・マネジメントソフトは、個々の施設の実状に即して、項目の増加、計算式の変更が容易に行えることから実用化が期待できるものと考えられた。今後は、体重の推移のグラフを自動表示できる機能、個人データが莫大な量となるため管理の方法についても検討していく予定である。
※栄養ケア・マネジメント関連書類とは栄養スクリーニング、栄養アセスメント[I]および[II]、栄養ケア計画、栄養ケアモニタリングである。
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