第8セッション
演題 1
メタボリックシンドロームのKey Factor:
腹囲を規定する食事因子
発表者 ○佐藤あゆみ1)、伊藤和枝1)、原美智子2)、木谷信子3)、百々瀬いづみ3)
森谷きよし1)松下真美3)、渡辺久美子4)、清水真理1)、佐々木正子5)
牧田章1)、斉藤昌之1)、関谷千尋1)
(天使大学大学院・看護栄養学研究科1)、元天使大学栄養学科2)
天使大学栄養学科3)、相模女子短期大学4)北海道循環器病院5)
【目的】メタボリックシンドローム(Ms)の必須条件である内臓脂肪型肥満は、インスリン抵抗性の上流に位置して脂質異常・糖尿病・高血圧症を齎す質的肥満で、BMIによる量的肥満とは区別される。Msの予防・治療には質的肥満の評価が重要であり、本研究では減量に伴う肥満指標と血中因子との関連を検討し、肥満指標を規定する食事因子を明らかにする。【方法】本学健康・栄養クリニックを受講した年齢59.1±9.5歳の58名(男性22:BMI 25.8、女性36:BMI 26.4)を対象に4ヶ月間の栄養・運動指導を行った。開始時及び4ヶ月指導後に身体計測(体重、腹囲、体脂肪率)、血圧測定、採血と3日間の食事調査(撮影法)を行った。
[結果]体重は開始時に比し男性では3.5%、女性では3.3%減少し、体脂肪率は減少した。腹囲は男性93.5から90.1、女性:92.6から89.7cmと減少した。血糖は低下しHOMA-Rは女性でのみ低下した。中性脂肪・LDL-Cは低下傾向を示しHDLは低下した。収縮期血圧は低下した。Leptin は低下し、Adiponectinは女性でのみ増加, Leptin/Adiponectin 比は男女共に低下した。攝取エネルギーは男性34.5から29.9, 女性33.0から29.1kcal/kgと減少した。エネルギー構成比は、脂質E%が減少し、たんぱく質E%が増加した。血中中性脂肪の変化には、腹囲が正相関を示し、体重との関連は認めなかった。HOMA-Rの低下には、重回帰分析で腹囲が回帰され、体重との関連は認めなかった。腹囲減少率には、体重とは独立して脂質量が回帰され、エネルギー補正後も同様であった。
【結語】MsのKey Factorは腹囲であることが確認され、腹囲には体重・エネルギーとは独立して脂質総量が関与し、食事脂肪が重要因子と考えられた。
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