第2セッション
演題 1
生活習慣病患者における
CKD(慢性腎臓病)発症リスクファクターの検討
発表者 ○菅原小夜莉1)、鈴木純子1)、佐藤理紗子1)、樫野いく子1)、片村早花1)、高橋和子2)
(北海道文教大学1)、医療法人社団高橋内科医院2)
【目的】大規模疫学調査の結果から、CKDの予防は食生活を含めた生活習慣の改善を行うことが重要であるとされている。しかし、CKDのリスクファクターとして食生活等の検討を行った研究は行われていない。生活習慣病を有する患者のCKDリスクファクターを検討することは、有効なCKD発症予防法を検討する上で重要であろう。これらのことから、生活習慣病患者の推算糸球体濾過量(eGFR)を算出し、食生活、身体活動レベル、体組成などを調べCKD発症に関わるリスクファクターを明らかにすることを目的とする。
【方法】医療法人社団T医院の外来通院患者約100名を対象とする。調査項目は、身体計測、多周波インピーダンス法(Bioelectrical Impedance Analysis:BOCA)による体組成測定(内蔵脂肪量、体脂肪量、体脂肪率、他)、BDHQ(簡易型自記式食事歴法質問表:brif-type self-administered diet history)、身体活動レベル調査(IPAQ SV 日本語版)、生活習慣調査、血清生化学的検査、尿検査等である。
【考察】BDHQの結果も含めて対象者を100名として解析中であるが、途中経過を記述する。対象者43名をeGFRによるCKDステージの段階で群分けし、血清生化学検査の結果を一元配置分散分析により解析した。尿酸はステージが悪化するほど有意に(p=0.010)高値という結果が得られ、高尿酸血症は腎機能を低下させる因子であることが示唆された。また、有意ではないがHDL-Cはステージが悪化するほど低下する傾向が見られ、脂質代謝が腎機能に影響を及ぼす可能性が示唆された。
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