第10セッション
演題 2
パッククッキングにおける加熱、冷却、保管について
発表者 ○覚張沙奈恵1) 杉山和美1) 中川真希1) 近藤桂子2) 小林樹夫2)  齋藤郁子1)
(北海道文教大学1) 有限会社エムズテック2) )
【目的】国民衛生の動向(2007)によると、65歳以上の高齢者のいる世帯が全世帯の38.5%を占める。その内65歳以上の夫婦および独居の世帯は42.7%である。高齢になると、身体機能の低下などから、食事の準備が億劫になり、健全な食生活の維持が困難な高齢者が見られる。パッククッキング調理は、高度な調理技術もいらず、炊飯器でごはんと一緒に主菜や副菜が作れ、湯沸しポットでも料理ができる。高齢化が進むこの時代だからこそ普及したい調理法であり、パッククッキング専用の安価な調理機の市販が望まれる。今回は、パッククキング調理法の衛生面の知見を目的に、加熱時間、冷却方法、保管温度、保管期間について調査を行った。【方法】1.ポットを使用してパッククッキングにて料理を作り、冷却法を常温放置による緩慢冷却と、氷水への浸漬による急速冷却にて、その衛生的違いを確認した。2.保存法は家庭の冷蔵庫のチルド庫(2℃以下)、及び家庭の冷蔵庫を想定した恒温庫(10℃)、さらに家庭の涼しい場所を想定した恒温庫(15℃)にて行い、3日目、5日目の一般生菌、大腸菌群、黄色ブドウ球菌の菌数の変化を測定した。【結果】パッククッキングにおいてポット(98℃保温設定)にて調理を行った際には、調理直後に菌の出現は見られなかった。チルド保管(2℃以下)と冷蔵庫保管(10℃)、冷所保管(15℃)の温度の違いによる菌数の変化を統計処理した結果、チルド庫と冷所保管において、菌の出現に有意差が見られた。【考察】調理直後に菌の出現が見られなかったことは、調理により、菌が死滅および抑制されたと考えられる。冷却方法や保管温度の違いにより菌の出現に差あり、調理後の冷却環境及び保管環境への配慮の必要性が確認された。
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