第7セッション
演題 3
就業者の健康管理に関する意識・実態について
〜メタボリックシンドロームへの対策について考える〜
発表者 ○立川 佳樹子(宗谷保健福祉事務所保健福祉部)
【はじめに】メタボリックシンドローム(以下MS)について、厚生労働省では診断基準をもとにした病状の把握と、各階層に対する効果的な保健指導の実施が必要であるとしており、MS対策の検討のため健康教育講座にあわせて実態調査を行ったので報告する。
【方 法】宗谷管内の土木建築系事業所に勤務する職員120名に対し健康教育講座を行った。その際、自記式のアンケート用紙を配布し調査した。調査項目は、1)身体状況(BMI・腹囲、健康診断時の血液検査結果)、2)主観的健康観、MSの認知度等、3)生活習慣(運動、食生活、喫煙)とした。
【結 果】アンケート配布120名中83名から回答を得た。(回収率69.2%)
身体状況について、BMI25以上であった者は全体の31%、腹囲が85cmを上回る者は全体の34%であった。また、MSが疑われる者は9%(5名)、MSの危険性がある者は22%(12名)であった。主観的健康観については、「ふつう」が67%、「あまりよくない」と回答したのは6%(5名)であった。また、MSの認知度については、「理解している」という人が全体の19%、「全く知らない」人が35%であった。
 腹囲が、現在定義されている85cm以上である者は、活動強度の低い事務作業の仕事をしている者の割合が高く、正常域の者と比べ1.3倍(OR)「運動習慣がない」と回答していた。また、食習慣では正常域の者より「お腹いっぱい食べる」者の割合が1.9倍(OR)であり、喫煙習慣についても「喫煙者である」割合が高かった。
【考 察】MS対策には運動による消費カロリーの増加の必要性があり、食生活改善だけでなく、運動習慣の普及のための働きかけが重要であることが示唆される。今回の調査により対象集団での傾向の相違があると想像できることから、他の職種についても調査したい。
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