第3セッション
演題 3
当院NST活動の実際と今後の課題
発表者 ○寺山里恵、森多喜子
(JA北海道厚生連 帯広厚生病院栄養科)
【目的】入院患者の栄養状態を良好に保つ事は治療の根幹といっても過言ではない。当院でも患者の栄養状態の改善を目的にNSTを立上げ、チームで低栄養患者の栄養管理をおこなっている。これまでの活動と今後の課題を述べたい。【活動の実際】当院では2005年8月より外科、消化器内科病棟を対象にNSTを稼働した。本年4月からは脳神経外科、神経内科病棟に拡大、現在4病棟を対象としている。NSTは院長直属の機関で、事務局は栄養科が担っている。スタッフは外科、消化器、神経内科医師、各病棟看護師、薬剤師、臨床検査技師、ST、管理栄養士、医事課事務員からなる。スクリーニングにより低栄養が疑われた患者で、担当医師が介入を依頼したケースについて、週1回ミーティング、回診を行い各職種の立場で意見を出し合い検討、栄養評価及び栄養に関する提言を担当医に行っている。各スタッフはミーティングまでに必要な情報を端末に入力、ミーティングの資料とする。栄養士は身体計測、喫食調査で必要栄養量及び摂取栄養量の算出を主に行っている。9月末までのNST介入実績は41名。【その他の活動】NSTでは毎月NST部会を開き、経管チューブに詰まりやすい薬剤の検討、院内共通PEGパスの作成など、院内での栄養に関する問題を検討する機関としても活動している。また職員への栄養に関する知識の啓蒙を目的に毎月栄養に関する学習会を開いている。【問題点と今後の課題】これまでのNST活動で院内での栄養に対する関心は高まりつつあるが、実際の介入では術後の感染、発熱、下痢などさまざまな状況が重なり栄養状態がなかなか改善されない、化学療法や薬の副作用により食欲の改善がはかれない、終末期の患者が多いなど改善につながる成果が出せていないのが現状である。今後、これまでの活動をさまざまな角度から検証し、確実な成果に結び付けていく必要があると考える。
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