第1セッション
演題 1
クローン病患者の栄養食事調査について
発表者 ○東 貴代1)、竹内 夕紀子1)、松田 環季1)、三岩 富美恵1)、庄内 惠1)、 吉田 典代1)、須賀 俊博2) (北海道IBD食食事療法研究会1)、札幌厚生病院2)
【目的】クローン病の食事療法については、未だ確立されてはいないが、栄養指導の際に低脂肪・低残渣食を推奨している。緩解を維持しているクローン病患者の実態を把握し、患者のQOL向上と、より良い指導内容の充実を図ることを目的に栄養食事調査を行った。
【対象】北海道IBD患者会を通じ、栄養摂取計算を希望するクローン病患者69名を対象とした。
【方法】自記式の食事記録用紙を郵送し、対象者が3日間の食事記録を記入。記入後、用紙を返送してもらった。
【結果】1.69名中男45名、女22名、不明2名であった。年齢は14〜72歳であった。
2.罹病期間は0.5〜28年であった。3.69名中、食事のみの摂取が19名(27.5%)、食事と経腸栄養剤の併用摂取が50名(72.5%)であった。4.食事と経腸栄養剤の併用摂取者50名中、同一の栄養剤を利用している41名の食事内容について検討すると、食事回数については、ED+食事1回食は10名(24.2%)、ED+食事2回食は17名(41.5%)、ED+食事3回食は14名(34.1%)の割合であった。5.一日平均脂質摂取量は、食事1回食で10.6g、食事2回食で10.9g、食事3回食で20.1gと低脂肪であった。6.食物繊維の摂取については、食事摂取のみの群が平均8.4g、ED+食事の併用群(3回食)では平均6.9gと併用群のほうが少ない摂取量であった。7.栄養指導受講の有無については、69名中受講歴のある者が55名(79.7%)、ない者が7名、未記入7名で多くの患者が栄養指導を受講していた。
【結論】食事調査からは、食事と経腸栄養剤の併用により予想以上に低脂肪・低残渣が守られていることがわかり、栄養指導の成果が伺われた。今後も長期にわたって患者が無理なく食事療法を実践していくことができるよう、個々に合った指導内容の検討が必要であると考える。

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