第5セッション
演題 5
看護過程の視点を用いた栄養管理の一例
発表者 ○鵜飼真千子 河原麻値 鈴木美貴 秋田まゆみ 杉谷静香 佐々木朋子 大塚真奈
(手稲渓仁会病院 栄養部)
【目的】当院は524床、診療科23科、看護単位15科をもつ総合病院である。栄養管理業務を展開させていく上での問題点としてチーム医療における医療の共通性、在日数(11.2日)の短期化、栄養士のマンパワー、栄養士教育があげられた。これらの問題を解決するために、POS(問題解決技法)に基づく看護過程をプロセスの視点に用いて、NCMシステムを基盤とする栄養管理過程の検討を行った。
【方法】栄養管理対象者は、各病棟の看護業務計画書より入院期間を把握し、フローシートに記録されている食事摂取量から摂取量5割以下の患者を抽出。患者情報収集の視点は栄養診断を導き出すために必要な要素として病名、病態、治療方針、治療過程、摂取機能、栄養状態、食文化、精神心理を軸としてマニュアルを設定した。栄養上の問題点を栄養診断形式で明確化し、栄養管理計画は診断計画(DX)、治療計画(TX)、教育計画(EX)別に立案。経過記録はSOAP式記述で簡便にし、栄養管理計画終了時は、栄養管理サマリーの記述により患者個々の栄養管理評価を行うこととした。
【結果】当院の看護計画はNANDA承認診断ラベルを用いて立案し、POSの概念に基づき経過記録はSOAP式記述で展開されている。栄養管理のプロセスに看護過程の視点を取り入れることでチームの一員として治療に継続的に関わる際に患者のケアニーズについての共通認識を可能にした。また、業務手順をマニュアル化することで栄養管理過程と実践されるべき栄養管理の方向性が的確になり業務の効率化及び栄養士教育に反映している。
【考察】チーム医療において治療に効果的に関わるには視点や言語、情報などを共通認識のもとで共有していくことが有効と考える。今後は症例をとりまとめ、急性期病院の特徴を踏まえた栄養管理のあり方を検討していきたい。
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