第5セッション
演題 2
当院におけるNST稼動の取り組み
発表者 ○高橋涼子 澤田由紀子 松木郁絵 阿部華恵 原田咲子 芝山信子
(JA北海道厚生連旭川厚生病院栄養科)
【はじめに】近年、NSTによる栄養管理の重要性が増し、道内でもNST稼動施設が多くある中、当院では、平成16年3月末よりNST稼動に向け勉強会、院内学術講演会等の活動を進めてきた。本年7月には第1回のNST委員会が開かれ、院内に正式にNSTが立ち上がり、外科病棟と消化器病棟において現在活動している。当院のNSTにおける状況と今後の課題について述べる。
【現在の活動状況】これまでにNST介入した患者数は23名。その内20名が癌患者及び癌の再発、転移の患者であった。NSTとしては、個別対応献立の実施、栄養補助食品の追加、患者の必要エネルギー量に見合った病院食あるいは栄養剤の提案等で対応をしてきた。介入患者の多くは化学療法や薬の副作用による食欲の低下、病気による通過障害、終末期に近い等の理由から栄養状態の改善に繋がるような対応ができておらず、NSTとしての成果が出せていないのが現状である。しかし、個別対応等による患者QOLの向上、また創傷治癒に関してはNST介入効果が示唆されつつある。
【今後の課題】当院では、NSTにおける栄養管理への関心が未だ十分とは言えず、NSTが病院にとってどれだけの効果をもたらすのかが注目されるところでもある。今後は、術前の栄養管理を目的とする患者も対象に加え、NST介入が患者の回復を早め、在院日数短縮等の効果に繋がるようNSTとして活動を進めていきたいと考えている。今後、栄養士として症例を重ねていくにあたり、身体計測の精度を高める、病態についての専門的知識、薬剤・点滴の知識の習得が必要であり、様々な勉強会の実施も予定している。NSTの活動範囲が徐々に広がり、全科型へと移行するにあたり、NSTの効果を示していけるようNSTメンバーや病棟スタッフと協力していきたい。
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