第4セッション
演題 1
病院給食における油脂劣化度の調査結果
発表者 ○八幡昌代、九嶋千都子、高橋めぐみ、堀川かおり
(医療法人碩心会 北海道大野病院栄養科)
【目的】当院では、患者様の満足度を高めるための一環として、塩分制限のある治療食の方でも食べやすくする工夫をし、だしの取り方や醤油を吟味するなど、様々な取り組みを行ってきた。
その中で、繰り返し使用される揚げ油の変敗・劣化については、多くの場合、油の色や臭い、使用日数などを参考に長年の経験を頼りに交換時期を判断している現状であり、当院の揚げ油は的確に扱われているのか、調査を行ったので報告する。
【対象と方法】患者様に提供する揚げ物終了後、室温に戻した油を加熱油脂劣化度判定試験紙による色調で酸価を測定し、調査した。(当院では、フライヤーで揚げ物を行い、終了後に別な容器に移し替えて保管)
調査期間は平成17年6月〜8月、病床数186、一食当たり約120食、実際に揚げ物を提供するのは60〜100食程度であった。
【結果】以前は調理員の人数不足もあり、フライヤーで揚げ物後はそのまま保管し、交換時期をきちんと見極められず、風味の衰えた揚げ物が提供されることもあった。しかし、試験紙による加熱油脂の調査を行った事により、調理員の意識改善に有用であった。
やはり、明確な交換時期を決定することは困難であったが、現在の方法、頻度で揚げ油を使用していくのであれば、厚生労働省が定めた油脂食品の品質基準の酸価2.5に達することはなく、現状で問題がないことを実証できた。
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