第2セッション
演題 1
高齢者における「健康運動」の普及について
発表者 ○渡辺健司(北海道上川保健福祉事務所保健福祉部/北海道上川保健所)、
船橋ひづる(利尻富士町福祉課)
【目的】平成11年度健康づくり道民調査の結果では、宗谷地域において20歳以上の肥満者の割合は男性30.9%、女性28.3%、運動習慣(週2回以上、30分以上)のある者の割合は同40%、同29.2%であった。第二次保健医療福祉圏ごとに作成している地域健康づくり行動指針の宗谷圏域版である「宗谷健康プラン」では、肥満者と運動習慣のある者の割合をそれぞれ約10%減、10%増を目標値として掲げている。
 このことから今回、肥満の解消と日常生活における運動習慣のある者の増加を促し、当該目標値を達成するため、特に運動量の低下する冬期間において、室内でできる軽運動の紹介(実技指導)と、近年問題となっている高齢者における転倒予防(介護予防)も視野に入れた健康運動の普及活動を行ったので報告する。
【対象と実施方法】利尻富士町に在住する一般住民(50〜70歳代の女性)に対し、平成17年2月に延べ72名に対し、保健所管理栄養士(健康運動指導士)が10分程度、運動の必要性や効果などの講義の後、引き続き50〜60分ストレッチ及び転倒予防のための運動実技指導を行った。
【結果】昨年度においてもストレッチやチューブ体操を取り入れた運動に関する普及活動を実施しており、今回、継続して運動指導を実施したことにより、僅かではあるが「冬でも歩いて買い物に行くようにしている」、「家でこまめに体を動かすように意識している」、「(来年度同町に完成する)温水プールが楽しみ」等の声が聞かれ、運動が健康維持に欠かせないものであることの認識と運動の実践意欲は深められた。
【考察】運動に対する関心・意欲が向上している者がいる一方で、関心がない者も存在することから、それらの者へのアプローチの方法と興味を引く運動内容を検討する必要がある。また、今後の道民全体の健康づくりの視点からは、壮年(25〜44歳)・中年(45〜64歳)世代に対する運動習慣の定着と体力維持の対策等も考慮する必要があると思われる。
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