第8セッション演題 4

発光法を用いた各種茶葉の抗酸化能の比較

発表者 ○佐藤由美、長谷川裕美、岩渕絵里子、荒川義人 (天使大学看護栄養学部栄養学科)
【目的】 活性酸素が老化や様々な疾病の原因になることが明らかにされ、茶葉に含ま れるカテキン類による抗酸化活性にも注目が集まり、積極的な利用が勧められている。 しかし、茶葉の種類や浸出条件などによる活性の違いは明確にされていない。そこで 本研究では、発光法を用いて日常よく用いる茶葉の抗酸化活性を比較、検討したので 報告する。
【方法】

緑茶、烏龍茶、紅茶の各茶葉を約2g精秤し、熱水(約90℃)を加えて1〜3分間放置、浸出後、ろ過し、濃度調整して試料溶液とした。抗酸化能の測定は、K-Phosphate BufferにXanthine oxidase(XOD)、試料溶液、Hypoxanthine(HX)、 発光試薬(MPEC)を加えて反応後、ルミネッセンサーに供して行った。なお、次式 より発光阻害率を算出し、抗酸化能の指標とした。 阻害率(%)=[1-Sample発光量/Blank発光量]

【結果および考察】
発光阻害率を指標とする各茶葉浸出液の抗酸化活性の比較におい て、緑茶では煎茶が最も強い活性を示し(阻害率92.3%)、 ほうじ茶はほとんど 活性が認められなかった(同3.2%)。 紅茶では、ダージリン(同91.5%)、 セイロンオレンジペコ(同91.3%)に強い活性が認められた。烏龍茶では、武夷 岩茶が最も強く(同77.7%)、 凍頂烏龍はあまり活性を示さなかった(同38. 4%)。 浸出後の茶葉を再度浸出して活性をみたところ、各茶葉には活性が残存して いることが明らかになり、一部活性の強さに変化がみられた。特に烏龍茶ではいずれ の品種も再浸出液の方が強い活性を示した。今回の結果から、茶葉の種類により浸出 液の抗酸化活性には大きな違いがあることが明らかになった。現在、浸出時間と活性 の関係についても検討中である。
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