第6セッション演題 2

乳幼児を育てている母親の食事に関する研究

発表者 ○菊地和美(酪農学園大学酪農学部食品科学科)
【目的】 子どもの栄養状態は、周囲にある食物の内容や量に影響を受けると言われ、 母親など保育者の食生活や健康に対する考え方が関与している。乳幼児期の食事は固 さ(形態)、 食事の種類や量、味付け、衛生面などの配慮が必要であると考えられて おり、本研究は、母親に対する栄養教育の検討を目的として実施した。
【方法】

(1)食情報に関する調査は、北海道14管内50市町村から子育て情報誌を郵 送法で依頼して解析、(2)子育てに関する食生活調査は質問紙法により、234名を対 象に実施した。(3)さらに、母親に対する栄養教育の検討として、新聞レシピ調査なら びに母親と子どもの食事調査を2003年9月に実施した。

【結果】
1 子育て情報誌である「子育てガイド」には、子育てや食事に関する内容が 含まれ、母親にとって食の情報源となっていることが把握できる。
2 母親は家族や子どもの食事作りに「時々悩む」と回答し、食情報源は「親や友人」、 「雑誌」 「テレビ」から得ていた。 「インターネット」からの食情報は、乳児を育て ている母親に多く(p<0.05)、子供の月齢によって情報源が異なることも示唆された。 母親が利用してみたいレシピは、 「簡単なレシピ」という回答が多かったが、乳児を 育てている母親は「大人の食事から子どもへの展開食」(p<0.05)のレシピを挙げ ていた。
3 新聞レシピを解析すると、魚料理や野菜料理が多く出現しており、子どもの食事へ 展開が可能と考えられた。
4 母親と子どもの食事調査では、子どもの月齢が高くなるに伴って、母親の食事に近 似する傾向があった。
5 一方、子育て講座や子育てサロンなどに参加している母親は、母親同士の交流がみ られ、栄養士や保育士からアドバイスを受ける機会も多かった。以上より、母親に対 する栄養教育では、多職種との連携や利用しやすい食情報の検討が必要であると思わ れた。
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