第4セッション演題 2

生活習慣病改善プログラムの有効性について 〜トライ13の報告から〜その1

発表者 ○折戸比佐子、岸本牧子、今井淳子、澁谷直(社会保険札幌健康づくりセンター)
小林毅、中村節子、川代昭子、葛西文彦 (社会保険北海道健康管理センター)
【目的】 生活習慣病の危険境界領域にある人達を対照に生活習慣病改善プログラム 「トライ13」を実施している。今回このプログラム実施前後の変化を検査値他か ら検討した。又栄養士が関わらず、具体的な目標設定のない一般検診の3ヵ月後の 再受診者との比較も行った。
【方法】

1)対象 平成14年6月〜平成15年7月までに終了したトライ70名 平均年齢56±9.6男36名女34名。一般検診再受診者70名平均年齢52± 9、男58、女12名(無作為抽出)。 2)トライ概要 医師、保健師、管理栄養士、運動療法士、検査技師によるチーム を構成し、危険境界領域にある参加者を募り、開始と3ヶ月後に体力測定、負荷心 電図及び132項目の生活習慣質問用紙で分析し、栄養目標・運動目標を各個人毎 に設置し、13週間実践しこの結果を分析する。 3)解析方法は単純統計・開始と3ヵ月後平均の比較はt検定、分散比の検定を用 いた。

【結果】
(1)開始と3ヵ月後の比較では、解析群全体で、9項目中8項目で有意に改 善が認められた。GOT・GPT(p<0.001)とBMI・総コレステロール・HD L・中性脂肪・γ−GTP・尿酸(p<0.01)。対照群は中性脂肪(p<0.001)のみ であった。 (2)男性では介入群の中性脂肪(p<0.01)、γ−GTP(p<0.5)に改善が認められ た。女性では介入群のGOT・GPT(p<0.01)と対照群の中性脂肪(p<0.5)が 有意に改善された。
【考察】
具体的な目標設定ときめ細やかな支援で「トライ13」の参加者に生活習 慣の変容が認められた。しかし、3ヶ月という短期間の実施で生活習慣は定着した とは言えず、今後の課題としてはさらに半年、1年度の追跡とフォローアップが不 可欠であると思われる。
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