第3セッション演題 3

脳血管障害患者に於ける生活習慣病の現況 ウエスト/身長比からの検討

発表者 ○佐竹麻実、宍戸里奈、野本由紀子、平泉幸子(宮の森記念病院)
【目的】 脳血管障害患者では、生活習慣病(肥満、高血圧症、高脂血症、耐糖能異 常)を有している症例が多くみられる。なかでも肥満は動脈硬化の最重要危険因子 とされている。近年、内臓脂肪型肥満の判定には(ウエスト/身長比=0.5以上) が新指標として注目されている。よって当院に入院加療中の症例をこの指標を用い、 生活習慣病の罹患状況、血清脂質、栄養状態、動脈硬化指数(AI)について比較 検討した。また従来の体格指数(BMI)との関連性、及びADL、喫煙、飲酒、 食習慣なども合わせて報告する。
【方法】

調査期間は5ヶ月間、対象症例は56名(男24、女32)で入院時のウ エスト/身長比(以下W/H比)0.5以上30名をA群、0.5未満26名をB 群とした。両群の罹患数、T−Cho,HDL−Cho、LDL−Cho、TG、 AI指数、TP、ALB、Hb、HtはW/H比測定時を用いた。ADLは自力歩 行と車椅子駆動に分け、喫煙、飲酒、食習慣は諮問形式とした。

【結果】
全症例のW/H比0.51±0.06とBMI23.4±4.48に於い ては相関(r=0.673、p<0.001)がみられた。罹患数はA群では(2)が 73、(3)40、(4)が7%であり、B群では無が27、(1)が50、(2)が15%と顕著 にB群が低かった。しかし、両群のの罹患数に統計的な有意差はみられなかった。 血清脂質、栄養状態、AI指数、及びADL、喫煙、飲酒においても同様であった。 しかし食事療法に対する意識度の高さはB群に多く感じられた。
【考察】
ウエスト/身長比は生活習慣病を既に罹患した場合ではなく、予防のため の指標であることを認識した。
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