第4セッション演題4

清田区栄養士グループによるクッキング教室の取り組み

発表者 ○横内愛(潟tァーマホールディング)、西尾久美子、西村茂子(清田病院)、嶋田祐子、今ゆか里(真栄病院)、藤田智子、上野由美(なの花薬局)、三原志津子、藤田文恵(清田区保健センター)
【はじめに】

患者の食事療法に対する不安を解消し理解を深めるためには調理主体の指導が効果的な場合が多い。しかし、設備の整っていない病院、薬局では実現が難しかった。そこで、私たち札幌市清田区内に勤務する管理栄養士は「清田区栄養士グループ」を結成し、清田区保健センターの協力を得て「ヘルシークッキング教室」を実施しているので報告する。

【対象及び方法】

各施設に通院、来局している患者と家族、ヘルパー等を対象とし、保健センター内で行った。平成12年11月〜平成14年10月現在まで6回実施し、テーマとして、糖尿病食、炎症性腸疾患食、嚥下困難食を取り上げた。緊張を軽減し個別対応を可能とするため、調理台1台に5名前後の参加者と最低1、2名の管理栄養士を配置し、調理内容は1食分の献立とした。初めに全体への指導を行い、個別指導と質疑応答は調理、試食中に行った。毎回、満足度を確認するためアンケートを実施した。

【結果】

参加者は合計で79名(1回平均約13人)内訳は患者本人48名、家族20名、ヘルパー9名、その他2名であった。アンケート結果は「教室が食事療法をする上で役立つと思う」97%「また参加したい」94%であった。また、「同じ疾病の方と交流できてよかった」「楽しかった」「今日から実践したい」等の意見が聞かれた。

【考察】

実際に調理を行いながら会話が進むため、参加者が栄養士に質問し易く、参加者同士の交流も図ることで、机上の指導より大きな効果が得られたと思われる。また、患者の家族、ヘルパー等が参加したことにより、患者をとりまく食事環境の改善に一定の効果が得られたと推察される。このような病院、薬局、行政栄養士の連携体制の整備は、地域住民の疾病の予防、食事療法の実践と継続に対する支援を効果的に行うことができると考えられる。今後も、この教室を地域住民と栄養士の関わりや栄養士間の連携を深める場として継続していきたい。