第4セッション演題3

鹿追町民の栄養摂取状況調査結果より「いきいき
健康計画21inしかおい」の策定にあたって

発表者 ○菅原裕美、田中道広、大野琴子、島かおる、袰岩由美子、河野節子、早川昌映、丹藤由樹子(鹿追町役場)、荻野弘子(北海道文教大学)西 基(北海道医療大学)
【目的】  鹿追町では70歳以上の医療諸費が十勝管内でも上位を示し生活習慣病の医療費や件数の高い伸びが見られ大きな問題となっている。今後の町民の健康づくりを推進するための「いきいき健康計画21inしかおい」を策定するに当たりその基礎資料として町民の健康状態や生活習慣・栄養摂取状況等の調査を実施した。栄養摂取状況調査では全国や北海道とも比較し鹿追町の特徴から地域に根ざした健康計画を策定することを目的とした。
【方法】

 対象者は町民の約10%に相当する1歳から79歳までの618人を層化無作為抽出し、自記方式で1日分の食事記録をし、後日回収した。その結果と死亡統計やその他の調査結果等を分析し健康計画を策定した。

【結果】

 @所要量と比較して不足していた栄養素はカルシウム(87%)(76%)で食物繊維についても(12.6g)で望ましい所要量(20g以上)と比べて少ない。特に鉄の不足は顕著で北海道の平成12年結果(102.7%)と比べても大幅に少ない。
 A栄養素の摂取分布では摂りすぎ層
(所要量の120%以上)と不足層(所要量の80%未満)の割合が全国値より高く栄養素摂取の二極化が進んでいる。例えばカルシウムは取りすぎ層20.4%、不足層48.1%であった。
 B食品摂取状況は野菜や果物、豆類が不足しており、これらの食品は北海道や全国と比較しても少ない。また、牛乳乳製品は
11人当たりの平均摂取量は多いものの、牛乳については全く飲んでいない人(47.7%)と酪農の町にもかかわらず多い。
 C年齢階級別では鉄が著しく不足している幼児期、エネルギーや鉄が不足し「やせ」の多い
20歳代女性、肥満の多い30歳代男性(47.6%)50歳代女性(45.8%)等の食生活に問題が多い。本町は道内の市町村別標準化死亡比をみると大腸がんが男性115.9、女性153.9と高い。これは若い年代の肉類の摂取量が多い、食物繊維が少ない、野菜が少ない結果ともつながる。これらの結果から健康計画では「適正な栄養摂取」と「食習慣の改善」の目標を掲げそれぞれの中で実現に向けた目標量を設定した。