第3セッション演題4 |
DFAV
(Difructose anhydride V) 摂取における |
発表者 | ○南田公子、イヌガスジャーヤ、曾根輝雄1、浅野行蔵1、横田篤2、冨田房男1((財)NOASTEC、1北大院農応用菌学、2同微生物資源生態)、ファンケル中研 |
【目的】 |
DFAVはチコリから作られたCa吸収促進作用を持つ糖で、現在機能性食品として開発の途上にある。すでに安全性試験は完了しているが、ヒトの長期摂取による腸内細菌叢の変化は不明であった。本研究では、DFAVを1ヶ月間(9g/日)摂取したヒトの便から、腸内細菌のDNAを直接抽出し、識別して、腸内細菌叢の変化を調べた。 |
【方法】 | DFAVを摂取した前、後の便からDNAを抽出し、PCRによって16S rDNAのV3領域(約200塩基)を増幅した。PCR産物を、DGGE法(denaturing gradient gel electrophoresis)を用いて分別し、それぞれバンドを切り出し、塩基配列を決定した。その配列情報をデータベースで検索して(BLAST)、存在していた微生物名を同定し、被験者の腸内細菌叢の構成を明らかにした。 |
【結果】 |
DFAVを1ヶ月連用しても、15名の被験者いずれにおいても、腸内細菌叢を占める優勢な細菌種は、変化がなかった。また、増加した菌は、ヒト腸管由来として報告されているBifidobacterium adolescentisとButyrivibrio fibrisolvensだった。一方、病原性菌などリスクを増加させるような細菌の増加はなかった。よって、DFAVは摂取し続けても腸内細菌叢のバランスを壊さない安全なオリゴ糖といえる。 |