第2セッション演題2 |
病院食におけるサプリメント導入とその効果 |
発表者 | ○駿河智美、河原麻値、片野純、大塚真奈(手稲渓仁会病院栄養部) |
【目的】 |
当院の産科外来患者の食事評価で「Fe」「Ca」の摂取が必要量に対し、50〜60%の不足が見られた。又、入院患者より「レバー」や「ひじき」などの一般的に「Fe」「Ca」の多い食品が食べずらいという声や、主訴として貧血症状があった為、病院食における授乳婦の確実な栄養摂取方法として「サプリメント」の使用を検討した。 |
【方法】 |
サプリメント導入前の実態調査A(対象者121名)で@家庭での「Fe」「Ca」付加摂取量、Aサプリメントに対する意識、について調査を行ない、この調査を基に医師と調整を図りサプリメントを導入した。導入後の実態調査B(対象者123名)で@サプリメントの摂取状況、Aサプリメントに対する意識、について調査を行なった。調査法は、調査A・Bともに入院中の分娩患者へ栄養士による聞き取り法とし、病院食へのサプリメント導入の評価を行なった。 |
【結果】 |
調査Aより、周産期に「Fe・Caの必要性を理解している」が100%に対し、「意識して食事を取っている」が67%で、その付加量はFe+1.8mg・Ca+330mgと推定され、Fe70〜80%・Ca20〜30%の所要量不足であった。又、62%が「利用希望なし」で、サプリメントへの関心・知識の低さが覗えた。サプリメント導入後調査Bより、サプリメントの利用率は87%で、13%は「飲むのが手間」「鉄剤服用中の為」「退院後に利用」などの理由より利用されなかった。又、サプリメントに対する抵抗感は0%であり「退院後も利用したい」との回答が63%であった。 |
【考察】 |
実態調査より、サプリメントへの関心・知識が低かった為「サプリメントの利用方法」をリーフレットにし栄養補助食品の正しい知識提供を行なった。また、現代社会の風潮として、アレルギーや嗜好による食品の選択がされがちな中、周産期における栄養補助食品の利用を推奨する事で、入院中の栄養素の充足率を満たし退院後(授乳期)の栄養管理意識の向上にも反映した。 |