演題 14 | チコリ・コ−ヒ−負荷前後でのクロ−ン病患者の症状推移について |
(北海道IBD食食事療法研究会)○東 貴代 庄内 惠 逸見トヨ子 土屋浩子 三岩富美恵 武田環季 竹内夕紀子 吉田典代 |
|
【はじめに】 |
クロ−ン病患者の食生活における摂取可能食品目の拡大を目指して、嗜好品のチコリ・コ−ヒ−をクロ−ン病患者群に負荷し、その前後での病態推移を検討したので、その結果を報告する。 |
【対象者】 |
クロ−ン病患者14名を対象として、同負荷に関する説明を行い、同意を得た上で、平成12年11〜13年3月までに、2週間の負荷期間を設けた。 |
【方法】 |
チコリ・コ−ヒ−を1日3〜4杯飲用し、その負荷前後での排便回数、便性状、腹痛の有無と程度をアンケ−ト方式で確認し、さらに採血検査デ−タの推移を測定・評価した。 |
【結果】 |
■男女比は男8名、女6名で年齢は21〜58歳、罹病期間は0.7年〜24年であった。 ■栄養補給は食事単独2名(14.3%) 、食事+成分栄養剤摂取併用者が12名(85.7%) であった。 ■飲用回数は、平均2.7回/日であった。 ■下痢の回数について、毎日下痢をしていた者は4名おり、摂取前の回数が平均3.4回、負荷後は4.3回であり、特に回数の増加は顕著ではなかった。 ■腹痛に関して、痛みがなかった者が8名(57.1%)、がまんできる程度の痛みの者が6名(42.9%) であった。 ■尿の回数がいつもより多いと答えた者が7名(50%) であった。 |
【まとめ】 |
嗜好品であるコ−ヒ−は、クロ−ン病の患者さんにとっては禁止とされているため、その代用としてチコリ・コ−ヒ−のテストを行った。これは、香りと味がコ−ヒ−に類似しているが、特に参加者全員の病状増悪を伴わずに摂取可能であった。抗炎症作用・利尿効果がありカフェインもないことから、クロ−ン病の患者さんのQOLを高めるために有用であろうと考えた。 |