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栄養士のつぶやきNo.76|
「新得町と特別養護老人ホームと私」

社会福祉法人 輔心会
地域密着型特別養護老人ホーム ひろね
管理栄養士 大上 綾華

この夏、北海道民なら誰しもが聞いたであろう。NHK連続ドラマ小説「なつぞら」。私が勤務している特養はこの「なつぞら」のロケがあった新得町です。期間限定で新得のロケ地を一般開放していましたが、車は大渋滞して、ほとんどが町外、他県の車でした。(地元民なのにお盆休みの時期に見学に行きました・・・) 多くの方が写真に新得の様子を収めている姿を見て「なつぞら効果ってすごい・・・」と身に染みて感じました。公開前にヒロインが新得にロケに来ている。と言った情報が入り込み、どこかで会えないかなぁ。と考えていましたが結局会えず・・・。待ちに待った放送日当日。いつもは無口な利用者様が「なつぞら」の放送を見て『この山、新得でしょう?』と言ったと聞いた時、この地でずっと生きてきたからこそ1番にわかったことだと感じました。施設内の小さな畑でとれた収穫物の処理をしながら「昔は体使って働いた。働いた。」と言っているだけあって、やはり赤紫蘇を茎から取るのがとてもはやい。朝から夜までこの新得で働いたことをお話してくれました。「若い人はこんなことやらんだろ」といきいきされていました。この地でずっと働いてきた方と話していくうちに、自分はどんな風に管理栄養士としてこの町の方に貢献できるのか・・日々の様子をお伝えします。

栄養士は(私の場合は)多くの場面で利用者様にお願いすることがあります。「食べてください」「味の感想を聞かせてください」などと、利用者様の感じていることや思っていることをどうにか聞き出そうとします。利用者様との馴染みの関係になれていなければ、なかなか自分の思っていることは聞くことができません。入所前のアセスメントに同行させていただく際は必ず食事の事を聞きますが、「なかなか初対面では食事の感想や本当の気持ちは話してもらえない」「いざ施設入所となると全く情報と違う」といったケースも多くあります。そこで私は、「なるべくユニットに行って皆さんの体調や様子そして食事を毎日見ること」「利用者様にまずは顔を覚えてもらうこと」が大事だと感じます。そのため、積極的にユニット行事や食事準備など参加するようにしています。新得で働いていた方ばかりなので、農業や酪農の話をすると「あんたよく知ってるね」と心を開いてくれることもあります。コミュニケーションの一環だと感じ始めた農園の作業。今では積極的にとれた野菜の収穫後作業を手伝っていただいています。「こういう仕事大好き」と笑顔を見せてくれる利用者様と一緒に作業ができるのは私自身とても楽しい時間です。皆さんで作った赤紫蘇ジュースを15時のおやつでいただきました。いつもの食事とは逆に利用者様に私も赤紫蘇ジュースの感想を聞かれ「はじめて飲みました」と飲んだ感想を利用者様に話しました。「おいしいだろう」と作ってくれた利用者様は嬉しそうにしていました。私も同じ気持ちで「美味しいです」と言いました。

管理栄養士として働き始めて3年目、改めて利用者様からの「美味しかった」「今度はこれが食べたい」「初めて食べた」などふとした瞬間にいただける言葉はすべて力になります。自分自身は食べることが大好きですが、中にはそうでない方もたくさんいらっしゃいます。どうしたら食べてもらえるのか、味が悪いのか、体調が悪いのか、嫌いな食べ物だったかな?など本当に日々「食」に対して勉強中です。「なつぞら」にも使用された新得町のシンボル「オダッシュ山」のようにこの地で生まれ、ここで暮らしてきた利用者さんの深い懐との出会いが、私の管理栄養士のスタートにたくさんの学びを与えて貰っていると強く感じます。

まさに「新(しいことを)得(ることができる)町!」で日々勉強中です!


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