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栄養士のつぶやきNo.71|心に残る食

留萌支部   岡田 景子

現在、私はこども園に勤務しています。
短大を卒業してから20年程経ちますが、6年前現在の職に就くまで栄養士の仕事をしたことがなく、ゼロからのスタートで日々の業務についていくだけで精一杯でしたが、少しづつですが新メニューを増やしたり調理方法を工夫するなどして美味しく子供たちに食べてもらいたい!という思いでお食事を作っています。
「おいしかった~!」のひとことで疲れが吹っ飛びます。
子供たちは慣れている味をそのまま好きになる事が多く、園に入って食べ慣れていない食材や味に戸惑いも見受けられますが、朝献立表を見て給食の時間を楽しみに登園してくれると嬉しいです。

最近、友人と昔食べた思い出のごはんの話になりました。
私にとっては、子供の頃に今は亡き祖父や祖母がよく作ってくれたごはんやおかずに懐かしさを感じます。
祖母が作る五目ごはんは甘かった。夏休みに孫達みんな集まって合宿の様に過ごしたお昼ご飯は卵入りのインスタントラーメンが定番だった。カレーライスに油揚げが入っていた、とかキリがないくらい食事と共にその時の風景も一緒に思い浮かびます。当時は当たり前のように食べていましたが、私達を喜ばせようと作ってくれたのだなと思うと、感謝の気持ちでいっぱいです。

その中でも、忘れられない思い出がひとつあります。
父方の祖父が亡くなる数か月前にのどの手術を受けることとなり、術前は手術をしても話せるという事でしたが、思っていたより状態は悪く、術後は話すことができなくなり筆記に、食べものは流動食となりました。手術の前にわかっていたとしても結果は同じ事だったかもしれませんが、もし先に知っていたら心の準備ができたのかな、食べたかったものがあったのではないかな…今となっても考えてしまう時があります。
祖父の手術が決まる少し前に、園で作り方を教わったがんもどきを家で作り、祖父に父を通して届けてもらいました。感想は聞けないままになってしまいましたが、今思うと私が祖父に最後に作ってあげられたものがそのがんもどきになりました。
入院してから手足もあまり動かなくなっていたので、一度流動食をスプーンで食べさせてあげた事があったのですが、近くにいた看護師さんが、
「おじいちゃんいつもと違う顔してるね、やっぱりお孫さんだと嬉しいよね」と。
少し照れくさかったのですが、その数日後に亡くなったのであの時食べさせてあげられてよかったです。突然話せなくなったり、いつものように食べられなくなったりとどれだけ悔しく苦しい気持ちになったのだろうと、その気持ちを想像すると今でも涙がでますが、ほんの一瞬でも私のできる事で喜んでもらえたかなと思います。
生きていると食べることは体のためだけではなく、その人の人生や心にも影響を与えたり思い出を作れるものでもあると改めて気づかされました。

園の子供たちにも「あのメニューが好きだった!」「○○がおいしかった!」「苦手な野菜もあったけど、頑張って食べた!」と卒園した後にも、同じ時間を過ごした先生やお友達との時間を思い出せるような“楽しい給食”を提供していけるように、これからも頑張っていきたいと思います。



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