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栄養士のつぶやき No.60

「えりもの風に乗り中学生が運ぶ昆布物語」

日高支部 柳 千夏


 えりも町では中学2年生の宿泊研修(札幌市)、中学3年生の修学旅行(東京都)先で特産品の一つである日高昆布を配布する課外活動を行っています。今年、中学2年生になる我が家の息子も7月に配布してきました。

 街を歩いている人に声をかけましたが、なぜか息子だけ受け取ってもらえる機会が少なく苦戦をしたようです。「笑顔が足りなかったんじゃないの?」、「声をかけた人の反応はどうだったの?」と私が聞くと、主婦の方は「急いでいるのでごめんなさい」、「私、料理しないから・・・」などの返答だったらしいです。最後に受け取って下さった方は、意外にもサラリーマンの男性の方で息子は「ほっとした」と話していました。

 「春に修学旅行から帰ってきた先輩方の配布状況はどうだったのだろう?」学校だよりによると、受け取った方々から「お礼の電話やメールなどがあったらしいです。また、全員にパンを買って下さった方もおり、自分の町の特産品に誇りを持つと同時に人の温かさも実感したことでしょう。

 自分が学生の頃はこのような取り組みは無く、うらやましい気持ちもしました。持ち帰った方々がどのような調理をして食べて頂いたのかが気になります。今回のエピソードを通して家族で楽しい時間を過ごせました。このような取り組みが行われている事に対し、学校の先生方や関係者の方々に感謝すると共に、今後もぜひ継続して頂きたいと思いました。

 昆布と言えばえりも町を代表する特産品です。北海道の日高管内随一の水揚げ量を誇り、7月~9月頃の晴天の日に「採り昆布漁」で活気を見せます。

 海で漁師が引き上げた昆布を、砂利の干場に1本ずつ丁寧に天日干しをしていくため、1日がかりの手作業となります。浜一面が昆布の茶色い絨毯で覆われた景色が広がり、夏の風物詩となっています。家族総出で行うため小中学生も欠かせない戦力。このため、夏休みは遊ぶ事は限られ家の仕事を優先する働き者の子供たちなのです。

 和食が2013年ユネスコ無形文化遺産に登録されました。日本は出汁の文化とも言われ、素材の味を引き立て、うま味を巧みに使う事により、動物性油脂の少ない食生活を実施しており、日本の長寿や肥満防止にも役立っています。

昆布は正月料理にも「昆布巻き」として登場し、「よろこぶ」の言葉にかけ、「喜びを広める」など縁起の良い食材とされています。また、コンビニのおにぎりの具材としても使用され、身近な食材となりつつあります。我が家の食卓に昆布料理が登場する機会は・・・?と言うと炊き込みご飯や煮物などで、実際考えてみると少ない事に気がつきました。

私自身、この出来事をきっかけに息子に地元の食材の美味しさをもっと伝えていくためにレシピを増やそうと思いました。

 今年もえりも町が一番活気づく夏が到来します。太陽の日差しをたくさん浴びた日高昆布を来年も中学生が街ゆく人へ声をかけ「喜びを広める」予定です。

もし、この場面に偶然出逢った方がいらっしゃれば受け取って頂き、ご家族と共に磯の香を味わってもらえたら町民一同嬉しく思います。



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