栄養士のつぶやき No.52|「ライフワーク」

陸上自衛隊上富良野駐屯地業務隊補給科糧食班
管理栄養士 齋藤 康太

 大学を卒業し、働き始めて6年目になりました。その中でずっと続けていることがあります。それはランニングです。年間に5~10本マラソン大会に出場し、距離も3kmの陸上競技会からフルマラソンまで走ります。スピードを養うための練習や長い距離を走るためのスタミナを養う練習など走るトレーニングは様々で、土台をつくるために自体重トレーニングも欠かせません。
しかし、こういったトレーニングだけに気を配っていても、継続してトレーニングをすることは困難だと考えます。トレーニングの継続、そのためには「食事・栄養素摂取」が鍵です。ダイエット目的で始めたランニングですが、私は甘いものが大好きで、好きなだけ食べてもその分トレーニングすれば良いのだと考えていました。その結果、走り過ぎによる怪我が増え、1年間で走ることができない期間が度々ありました。これではいつまでたっても記録向上が望めないと危機感を覚え、自己改革に着手しました。甘いものを食べるという欲求を残しつつも太らないためにはどうしたらいいか、私は「B-MAL1」に着目しました。B-MAL1は脂肪蓄積にかかわるたんぱく質で、分泌量が15時を境に増えるという報告があります。消化吸収を考慮すると午前中までは好きなものを食べても脂肪蓄積を抑えられるのではないかと考え、2015年7月から実行しました。今までは夜に甘いものを毎日食べる生活をしていましたが、それを機会に夜に食べることが劇的に減りました。すると、なかなか減らなかった体重と体脂肪が減り、記録も向上しました。トレーニングが何日もできないようなこともなくなりました。もちろん、それだけが影響したかどうか断定できませんが、自己改革という意識が影響を及ぼしたのは間違いありません。
また、B-MAL1以外にも腸内環境を整えることも意識しています。風邪をひくことでトレーニングだけでなく、日常生活にも悪影響が出るのは事実です。如何に日々を充実させることができるか、そのためには体調管理が最重要ポイントだと考えます。乳酸菌やビフィズス菌などの「プロバイオティクス」と食物繊維やオリゴ糖などの「プレバイオティクス」を同時に摂取できるように工夫し毎朝、ヨーグルト、牛乳、豆乳、きな粉、はちみつを混ぜて飲んでいます。これを継続しているからか風邪をひかなくなりました。
以上の2点が、好影響を及ぼしているのではないかと考える食の工夫です。そろそろ3点目にも取り組もうと思っており、それは坐骨神経痛へのアプローチです。ヘルニアを患って5年が経ち、幸いにも日常生活に支障はありません。しかし、下肢左右で感覚に違いがあり、トレーニングには支障が出ています。テニスボールに乗って筋肉をほぐす外的ケアをしていますが、栄養学の観点からケアできないかと探求中です。
今後も目標の10km33分台、ハーフマラソン1時間14分台、フルマラソン2時間40分切りのために「人体実験」は続きます。トレーニングがあるから管理栄養士を続けますし、管理栄養士であるからトレーニングを続けます。私の人生においてどちらも欠かせないライフワークです。


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